コンフォートゾーンを抜け出そう

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現在、劇場でディズニー/ピクサーの最新映画「カーズ/クロスロード」が上映中ですが、この映画の日本版予告編を何度となくTVで見ていて、次のひとコマがとても印象に残りました。主人公のスターレーサー、マックィーンが、彼の輝かしいキャリアの中で突然大きな挫折を経験し転機に直面します。「もしかして、限界かもしれない」と言うマックィーンに、親友のメーターはこう返します。「限界って誰が決めるんだ?」

メーターのこのセリフ、胸に刺さりませんか?そう、考えてみれば、自分の限界を決めてしまうのは自分。もっとできると言えるのも自分です。今回は現状打破に関係したお話です。

仕事やスポーツ、そして英語の習得においても、自分がもう一段上のレベルへの飛躍を図る時には、自分のコンフォートゾーン:comfort zoneを離れ、未知の領域に一歩を踏み出していくことが必要です。コンフォートゾーン:comfort zoneとは、「不安がなく心地良くいられる領域」を意味する言葉で、「安全領域」などと訳されることもあります。コンフォートゾーンのベースになっているものは、他ならぬ自分自身のこれまでの習慣や経験です。人は不安や恐怖から、常に自分のコンフォートゾーンを守って行動したがる生き物です。しかし、そこにぬくぬくと留まり続けている限り、現状は何も変わらず、また成長もありません。

私自身のことをお話しすると、ある外資系企業で初めて部門リーダーというポジションを任された時に、いきなり自分のコンフォートゾーンから追い出されるような経験をしました。部門の性格上、年間活動プランや実績を役員会議などで報告する必要に迫られたのです。もともと人前で話すことが大嫌いだった私にとって、これは結構なプレッシャーでありチャレンジでしたね。しかも、英語でプレゼンテーションをしなくてはいけない訳です。それまでも、そこそこ英語の環境で仕事ができてはいましたが、今度は会社のエグゼクティブたちを前にして、英語でプレゼンを行い、内容を了承してもらう立場に立ったのです。

当時、新米リーダーのプレゼンがうまくいくようにと、資料の作成に協力してくれたチームメンバーたちには今でも感謝です!資料に沿ってきちんと内容を説明するところまでは何とかなるのですが、その先に待ち受けているエグゼクティブたちからの鋭い質問にも対応しなければなりません。きっと当時は泣きたいくらいの心境だったのでしょうね(笑)。ある時は、厳しい質問攻めにあってボコボコにされたり、またある時は、質問対応の準備が万全だったせいか活動プランがすんなり承認され、逆に死ぬほど安心したりと、とにかくそんなサバイバルの日々が続いていきました。

そうこう試行錯誤を繰り返す中で、ある日ふと気づいたことがあったのです。それは、「英語はあくまでもコミュニケーションツールである」ということ。それまで私が持っていた「英語ができる」というイメージは、「英語を正しい文法で話せること、綺麗な発音で流暢に話せること」というイメージだったのですが、新しい業務経験を通じてこの認識が変わりました。

少なくとも仕事の場において「英語ができる」とは、綺麗な英語を話すことではなく、「わかりやすい表現、わかりやすい方法で、その場に合った伝え方が適切にできる」ことなのだと痛感したのです。何よりも、相手を説得するためには、シンプルな表現でロジカルに、そして簡潔にこちらの考えを説明することが一番だとわかりました。もちろん瞬発力というものも、仕事英語ではとても大切な要素となります。

そうしたことが理解できるようになってから、だんだんと英語の会議でのコミュニケーションのコツも掴めるようになっていき、毎日何件もこなさなければならない英文メールのコミュニケーションも、よりスピーディーに、より要領よくこなせるようになっていきました。このように、コンフォートゾーンを抜け出したからこそ、見えてきた世界や獲得できたものが大いにありました。

人生では、思わぬところにさまざまなチャンスや転機が潜んでいるものです。そういうチャンスや転機に直面したら、あるいは、今を変えたいと思っているなら、あなたもぜひ心をオープンにして、コンフォートゾーンの外側に勇気ある一歩を踏み出してみてください。たとえ自分の知らない分野へのチャレンジや、苦手だと感じている領域へのチャレンジであっても、そうすることで、確実に変化が始まり、必ず新しい自分に出会うことができます。失敗はありません。うまくいくまで学びと改善を繰り返せばよいだけです。

See you!