Be Yourself!

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先週、アメリカのトランプ大統領がトランスジェンダーの人たちの米軍への入隊を禁止する方針を発表し、物議をかもしています。トランスジェンダーとは、最近目にする機会が増えつつあるLGBTと呼ばれる性的マイノリティーの人たちのうち、心と体の性が一致しない人たちを指します。ご存知の方も多いと思いますが、LGBTとは、レズビアン(lesbian)、ゲイ(gay)、バイセクシュアル(bisexual)、そしてトランスジェンダー(transgender)のそれぞれの頭文字をとった表現です。このニュースでは、トランプ大統領のツイッターでのコメントに対して、大手IT系企業のCEOたちがSNSで一斉に異議を唱えていたのが印象的でした。

ところで、2020年の東京オリンピック・パラリンピックは、国際社会における日本のLGBT対応が問われる機会でもあります。オリンピック憲章には「性的指向による差別の禁止」が明文化されているため、LGBTに対して差別的な国はオリンピックのホスト国として失格になります。さらに、東京五輪では、「性的指向による差別の禁止」が調達コードにも盛り込まれたため、大会に商品やサービスを提供するすべての企業にLGBT施策の導入・実施が求められることになります。

多くの先進国では、同姓婚が合法化されていたり、性的マイノリティーの人たちへの差別を禁止する法律が整備されたりしていますが、現状、日本にそのような法律はありません。とは言え、ここ数年、日本企業でも、LGBTに対するハラスメントを禁止する内容が社内規程に盛り込まれたり、同姓パートナーを配偶者とみなし福利厚生が拡大されるなどの事例が目に付くようになりました。大手飲料メーカーでは、トランスジェンダーの社員が性別適合手術などのために最大60日まで有給休暇を取得できるようになるという先進的な施策も発表されています。この飲料メーカーの施策などは、まさに「時代はここまで来た!」と感じさせる事例ですね。

このように、企業は続々と多様性(ダイバーシティ:diversity)の重要性を認識し、自発的なアクションを繰り出しつつあります。これから2020年に向けて、こうした動きがますます加速し、LGBTに配慮した環境整備が拡充していくことと期待されます。

実際、日本にはLGBTと呼ばれる人たちがどれだけいるのでしょうか?日本の人口に占めるLGBTの割合は7.6%と言われています。この数字は、左利きの人やAB型の血液型を持つ人の割合にほぼ等しいということですので、あなたの知り合いの中にも当然LGBTの人たちが存在しているはずです。これまで、オリンピックをきっかけに、世界中のアスリートたちがカミングアウトしてきました。今回の東京五輪を契機に、さまざまな社会的環境が整備され、ここに暮らすすべての人たちの個性が公私共に無理なく尊重されるような、そんな日本の社会が実現できることを願っています。

最後に、LGBTというテーマに関係した英語表現を2つご紹介します。1つはstraight ally 「ストレートアライ」という表現です。これは、LGBTを受け入れて支援する異性愛者を指す言葉で、単にアライとも呼ばれます。同性愛者に対して異性愛者をstraightと呼ぶことをご存知の方は多いかと思います。allyには「味方」「同盟者」「支持者」といった意味があります。

もう1つは、配偶者、伴侶、恋人など、「恋愛関係における大切な相手」を意味するsignificant otherという表現です。significantは「重要な」「意義深い」を意味する形容詞。otherは「他者」「他人」を意味する代名詞です。この表現は、boyfriendやgirlfriendのように性別にこだわらずに使えるのでとても便利です。パーティーの招待状などで、“Please bring your significant other.” 「大切な方とご一緒にお越しください」のようによく使われる表現でもあります。ぜひ覚えておいてください。

実は、大学時代のクリエイティブ・ライティングのクラスで、担当のアメリカ人講師から私が初めてA+のスコアをもらった作品が、何を隠そうLGBTの人たちを主人公に描いたものだったのです。実際にLGBTの彼らがもし私の作品を読んだなら、「お前に何がわかる!」と言われてしまいそうですが、少なくともアライのひとりとして、次のメッセージを作品に込めたかったことを伝えたいと思います。

“Be yourself!” 「あなたはあなた、いつもあなたらしくあれ!」

See you!