他人事でない英語の道案内

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最近、街中で外国人から道を聞かれる機会が増えてきたと多くの方が言っています。先日も知り合いの女性が「中学から始めてもう30年以上英語を勉強しているのに、未だに道案内ひとつまともにできない!」とボヤいていました。海外からの観光客にとって、困っている時に自分の母国語や馴染みのある言語での道案内のニーズは切実なものです。あなたにもそんな経験はないでしょうか?道案内の英語は難しいという認識をお持ちかもしれませんが、実際には結構シンプルです。また、道案内ではパーフェクトな表現を目指す必要もありません。何よりも道に迷っている外国人に手を差し伸べたいという思いやりと、いくつかの単語の知識がありさえすれば道案内は成立します。

なぜか完璧さを求めてしまう英語の道案内
観光客にとって親切に道案内をしてくれる現地の人間は、それはありがたい存在です。私も以前フランス語圏を旅した際に、ホテルの従業員以外はほとんど英語を話してくれる人がいなかったため、とても不安な思いをしました。列車の駅で何人もの人に話しかけても英語が通じなかったのですが、ようやく1人の男性が英語で話しかけてきてくれて、私が聞きたかったことをおしえてくれました。この時は、異国の地でまさに「捨てる神あれば拾う神あり」と思ったくらいに感謝したことを覚えています。

そもそも日本語で説明する場合でさえ、道案内に完璧などというものはあり得ません。であるにもかかわらず、なぜか「英語で道案内」と思った瞬間に、急に構えてしまって完璧な説明を目指してしまいがちなのが私たち日本人です。その胸のうちは、「うまく伝わらなかったら申し訳ない」、「下手な英語を喋るのがはばかられる」、「道案内なんて自分にはとても無理!」といったところでしょうか。不安げに辺りを見回している外国人とできるだけ目を合わせないようにしてその場から立ち去る、なんていう方も少なくないのではないでしょうか。

でも、どちらへ向かったらよいものかと立ち往生している外国人にとっては、あなたのほんのひと言の英語、例えば “This way.”「こちらです」や “That way.”「あちらです」、または、目指す方向を指し示しながらの “It’s over there.”「それはあそこです」などが、とてつもなくありがたい響きを持つはずです。とりあえず正しい方向へ歩き出して、また途中で誰かに道を尋ねてもよい訳ですから。道案内とは本来そんなものと割り切れば、あなたの持てる英語力で目の前の観光客を助けることは十分可能です。

英語の道案内をスムーズにする魔法のフレーズ
とは言え、道を聞かれたとたんにパニックになって最初のひと言が出ないというあなたのために、魔法のフレーズをご紹介します。

まず、相手の行き先を確認した後にいつでも使えるのが “I’ll show you.”というフレーズです。これは「ご案内します」という意味になりますが、文字通りの意味は「(道順を)お見せします」ということなので、この言葉の後にはとてもフレキシブルな対応が可能です。きちんと順を追って道順を説明できなくても、一緒に歩いて目的地の近くまで連れて行くもよし、または、目的地の方向に向かって “It’s that way. 5 minutes or so.” 「あちらの方向に5分程度です」または “It’s over there. The blue building.” 「向こうの青いビルです」と説明するだけでも、自然な道案内として成立します。

次に、相手が地図を持っている場合には、まず地図上で現在地を確認し、“We’re here.” 「私たちは今ここにいます」という定番フレーズを使えば、その後の対応がスムーズです。“So you should go there?” 「ここに行かれるのですね?」と相手の目的地を確認し、地図で方向を示しながら “Go this way.” “Go that way.” などと説明すれば道案内完了です。

もう一つ、道を聞かれたあなたもその辺りには詳しくないという場合に使えるスマートなフレーズはこちら。“Sorry, I’m not from here.” 「すみません、この辺の者ではありませんので」。これだけだとややぶっきらぼうになってしまいますので、欲を言えば、“Sorry, I’m not from here. Please ask someone else.”と、「どなたか他の方にお尋ねいただけますか」と加えることができれば申し分なく丁寧な対応になります。

目指すのは“May I help you?”と言える勇気
2020年を控えて日本を訪れる外国人の数がますます増えていく中で、もはや英語の道案内は他人事ではありません。このブログを読んで、「自分ならもっとましな道案内ができる」と思われた方も多いかもしれません。それでも実際のところ、普段は言えるはずのことが、いざという時には頭がまっ白になって言えなくなってしまうケースが多々あるものです。道案内で聞かれることは、大半がとてもシンプルな内容。完璧な文でなくても単語だけで伝わるケースも多いことは事実です。まずは、落ち着いて相手の言うことを聴くことができれば大丈夫。右も左も日本語もわからず道に迷っている旅行者にとって、快く道案内に応じてくれるあなた、もう一歩進んで “May I help you?” と声をかけてくれるあなたは、彼らにとってまるで救世主のような存在です。あなたのそんな行動がまたひとつ日本の評価を上げることは間違いありません。

See you!