素直な人が上達する法則

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少し前に、音楽が心と身体に及ぼすプラスの効果と楽器演奏の勧めに関する記事を読みました。古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、音楽を「魂に作用する薬」と表現したそうです。楽しいときには楽しげな音楽が、悲しいときには悲しげな音楽が、まるで自分のために作られた曲のように、私たち一人ひとりの感性に寄り添って心を癒してくれるから不思議です。生活の中に音楽があるだけで、とても豊かな気持ちに満たされるものですね。

ちなみに、昨今では大活躍のAIも、作曲は苦手分野のひとつということです。さすがのAIも、まだ人の魂の領域を支配するまでには至っていないようです。それにしても、時間の芸術と呼ばれる音楽を生み出し、それをさまざまなジャンルで娯楽からセラピーの分野にまで発展・普及させてきた人間の功績は本当に偉大です。

音楽の具体的な効用としては、ストレス・疲労の緩和から、うつ状態や不眠の緩和、さらに、免疫力や集中力を高める効果もあります。また、最近では、音楽がドーパミンの働きを促進し、やる気や身体機能を高めることが科学的に証明されているそうです。特に、楽器を演奏するという行為は、脳が広い範囲で活性化することから、認知症予防やアンチエイジングにも効果が期待できると言われています。

そういうわけで、楽器の演奏がいかに大人にお勧めであるかということは明らかです。そして、大人の楽器初心者に特にお勧めの楽器はピアノということです。理由としては、ピアノの場合、鍵盤を押せば誰にでも同じ音が出せるため、綺麗に音を出すまでに練習が必要な弦楽器や管楽器と比べ、初心者でも入りやすいこと。また、左右の指を別々に動かしながらペダルを踏むという動作を行うことで、脳への刺激が多くなり、認知症などの予防につながるとされているからです。

さて、この記事で私が興味を惹かれたのは、大人が楽器演奏を学び始める際のポイントとして挙げられていた下記の内容です。

1)明確な目標を持つこと ― 自分が演奏したい曲、演奏したい場を明確にする。
2)指導を素直に受け入れること ― 音楽教室の講師などの指導に忠実に学ぶ。

たとえ健康管理のために楽器を始める場合でも、どの程度演奏できるようになりたいかという自分なりの目標を持つことが必要だとされています。例えば、「娘の結婚式で、この曲を演奏したい」など、具体的な目標があるほど上達も早くなるということです。

また、大人の生徒の中には、先生の指導を素直に受け入れられない方がいて、そうしたケースでは、上達するのに必要以上の時間がかかってしまうということです。これまで自分自身の評価基準や判断力に自信を持ってやってきた大人ほど、他人の助言やアドバイスをありのまま受け取ることが難しくなっているのかもしれません。

実は、上記2つのポイントは、英語学習にもそっくり当てはまる内容なんです。まず、明確な目標を持って学習に臨むことは、英語学習の基本と言えます。なぜ自分は英語を学びたいのかを明確にし、その目的に沿った目標を定め、目標に合った方法で学習を続けることが、結果を出す秘訣です。逆の言い方をすれば、あなたが英語学習で結果を出せない理由は、「なんとなく」学習しているからにすぎません。

そして、指導を素直に受け入れられるかどうかは、やはり人によって個人差があります。この記事を読んだ私の頭に浮かんできたのは、数カ月前に体験セッションにいらしていただいたある男性の言葉でした。

その方は、コンサルティング会社にお勤めの管理職の方で、海外拠点のスタッフとの電話会議を円滑に行うために、英語のスキルアップを必要としていました。詳しいお話を伺うと、これまでに数社ほどの英会話スクールや、結果にコミットしてくれるR社などで個別指導を受けてきたご経験をお持ちでしたが、未だに満足のいく成果が得られていないということでした。いずれのスクールにおいても、すでに自分が認識している学習方法などを繰り返し勧められるケースが多かったということです。

お話を聞いていく中で、その方がふと、「私にも結構頑固なところがありまして・・・」という言葉を口にされました。そこで気づいたのですが、おそらくその方は、スクールの先生から提示された学習方法を、実際にはあまり実行に移されてこなかったのではないかということです。何事においても、実行が伴わなければ成果はついてきません。この方は、「もっと自分に合った、もっと効果的な学習方法がどこかにあるのでは?」という発想で、多くのスクールをはしごされてきたのかもしれません。

まずは素直に先生の指導を受け入れ、その通り実行してみる。そして、それを一定期間きちんと継続してみる。楽器の演奏でも英会話でも、この部分はかなり重要です。いわゆる素直な生徒は、指導内容や学習方法をあれこれ吟味する前に、言われたことを即、実行に移します。そして、この最も大切な部分である「実行」にフォーカスできる人ほど上達が早いのです。

子供が語学の達人と言われるのはなぜでしょう?何か新しいことを学ぼうとするとき、彼らはいつでも素直そのもの。大人が教えたことを、ただそのまま無心にフォローします。子供のように素直な気持ちで何かをひたすらやり続けたとき、その先にはきっと素晴らしいご褒美が待っていてくれるに違いありません。

See you!