Keep Company with English Dictionaries

こんにちは、eigomob.comへようこそ!           

朝晩やや寒さが感じられるようになりましたね。昨日カリフォルニアのいとことチャットをしたところ、現地で長く続いていた大規模な森林火災はようやく収まったものの、先週はなんと雪が降ったそうです!9月にロサンゼルスでは熱波の影響で気温が摂氏49度を越えたということですが、その後いきなりの雪とはびっくりです。そもそもカリフォルニアに雪、しかも10月に、ということ自体に驚いています。地球環境が壊れかけているせいなのか、それとも、広範囲にわたる大火災の後で地球があえてバランスを取ろうとしているのか、ふと考えてしまいました。

さて、今回のテーマは、「Keep Company with English Dictionaries:英英辞典と仲良くなろう」です。keep company with~は「~と付き合う」、English dictionaryは、日本語で言うところの「英英辞典 (English-English dictionary) 」を意味します。馴染みのない方には一見使いにくそうに思える英英辞典ですが、実は、困った時に最も頼りになる学習パートナーなのです。

私たちは日常、英和辞典のお世話になる機会が圧倒的に多いわけですが、個々の単語が持つ英語本来のニュアンスを的確に教えてくれるのは英英辞典です。また、英和辞典の解説では今一つとらえどころがないと感じた場合に、調べたい言葉の意味するところをすっきりとわかりやすく解説してくれるのも英英辞典なのです。

つい最近、あるクライアントさんからこんな質問を受けました。「オンラインショップと言う場合やオンラインストアと言う場合がありますが、どんな違いがあるのでしょうか?」 私はそれまで恥ずかしながらショップとストアの違いを意識したことがなかったため、早速、辞書を紐解いてみました。

英和辞典では、shop:「商店、小売店、店(store)、専門店、作業場」、store:「店、商店(shop)、大型店、百貨店、雑貨店、貯蔵」とあります。この情報だけでも両者の違いが何となく見えてはくるのですが、shopの項に「店 (store)」、storeの項に「商店 (shop)」などとあるため、若干のモヤモヤ感が残ります。そこで、次に英英辞典を調べてみると、

shop: a place where you can buy goods or services
store: a large shop where you can buy many different types of goods

とあり、モヤモヤ感は一気に解消です。storeは、shopに比べると大規模で品揃えの多い店ということですね。shopに「専門店」という訳があることも、上記の説明からうなずけます。このように、英英辞典を英和辞典と併用することで、英単語の本来の意味を明確に把握することができます。

私が個人的に英語のモヤモヤ感を英英辞典で解決した例を紹介します。ひとつは、最近、高い頻度で使われるようになったsustainableという単語について。これは、sustainable society (持続可能な社会) とかsustainable development (持続可能な開発)という表現で使われることが多く、大体は環境問題絡みの文脈の中に出現します。このsustainableは、日本語では型にはめられたように「持続可能な」と訳されているケースがほとんどです。私にはこの日本語訳がどうも抽象的でわかりづらいものに思えて、しばらくモヤモヤ感を抱えていました。で、ある時、sustainableが「環境に優しい」と訳されている文書に出会ったのです。これはと思い、すぐに英英辞典で確認しました。

sustainable: able to continue without causing damage to the environment, able to continue for a long time

つまり、sustainableとは、「環境にダメージを与えることなく (without causing damage to the environment) 継続できる」という意味を持った単語だったのです。同時に、この単語がなぜ環境問題のキーワードになっているのかということもよく理解できました。

もうひとつ、私にとって英和辞典を何回参照しても埒が明かなかったのは、感情を表すupsetという形容詞です。海外ドラマなどではよく耳にする単語なのですが、この単語が気になり出した当時、とある英語教材に「She’s upset! (彼女が腹を立てている)」という記述がありました。ところが、英和辞典でこの単語を調べると、「ひっくり返った、転倒した、打ち倒された、敗れた、混乱した、めちゃくちゃの、動顛した、狼狽した」などとあり、「怒っている」という訳が見当たらなかったのです。こんなモヤモヤした時こそ英英辞典の出番です。英英辞典では以下のようにありました。

upset: worried, unhappy, or angry (adjective – 形容詞の場合)

上記のごくシンプルな解説で、すべてクリアになりました。つまり、upsetは、worried (心配・不安)な状況、unhappy (悲しい・不満) な状況、そして、angry (怒った) な状況における様々な感情を表現できる単語だということです。何かによって引き起こされたネガティブな感情をもろもろ表現できる便利な単語と言えるかもしれません。ちなみに、upsetには「お腹が不調」という意味もあります。

英英辞典を活用することには、他にも大きなメリットがあります。まずは、英語を読むことに慣れるということ。慣れるということは、すなわち英語をより速く読むことができるようになるということです。また、英語での説明を読むことが、スピーキングや英作文といった英語のアウトプットを行う際に大いに参考になるということ。つまり、英語で物事をどのように説明するか、そのコツが学べる学習機会になるということです。アウトプットが苦手な人というのは、難しく考えすぎてしまう人や、シンプルに物事を説明できない人がほとんどです。そんな人にとって英英辞典の簡潔な解説に日々触れることは、まさに一石二鳥のメリットなのです。

あなたも、英英辞典と付き合うことで、英語の世界により深く入っていくことができます。最初のうちは、英語の説明を読むのがいちいち面倒くさかったり、時間がかかったりするかもしれません。でも、初対面ではあんなにとっつきにくかった相手が、今では大親友というケースも珍しいことではありません。英英辞典があなたの生涯のstudy buddy(学習の良き相棒)になること請け合いです!

See you!