Open as Usual

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コロナの感染者数が減少傾向に転じ、今月25日から飲食店もほぼ通常通りの営業時間に戻りました。表題の “open as usual” は「通常営業」を意味する英語表現です。私も早速、ご無沙汰していた馴染のお店で久々に外飲みを楽しんできました!

さて、今回のブログは、表題とは全く関係ありませんが、前置詞に関するお話です。日本語には存在しない前置詞の概念は、日本人にとって結構とらえどころのない存在です。例えば、ソファーに上がってしまった犬に「降りろ!」と言いたい時、なぜか “Down!” ではなく “Off!” だったり、“Down there!” と言われたので「下の方」かと思ったら、「むこうだよ!」という意味だったり、「最終的に」と言いたい時は “at the end” ではなく “in the end” だったりと、本当に前置詞は難しいものだと思います。前置詞の概念がすっかりマスターできたら、もうネイティブ並みの英語力と言えるでしょう。今回は、前置詞の中でも日本人がとてもよく使う “of” に着目し、

「~の」は “of~”と認識してはいけない

というテーマでお話ししたいと思います。

というのも、「~の」という日本語を英語で表現する際に、ほとんど機械的と言ってもいいくらいに “of” を使う方があまりに多いという現状があるからです。日本人はちょっと安易に “of” を使ってしまっている感があります。“of” は結果として確かに「~の」という日本語に訳されるケースが多いのですが、まずは 「~の」⇒ “of” という認識は間違いであることを知っていただくことが大切かと思います。

それでは、クイズ方式で以下の日本語を英語でどう表現するか考えてみてください。

 都市のオアシス
 ドアの鍵
 成功の秘訣
 離婚の理由
 計画の変更
 価格の差
 生産の増加

「都市のオアシス」“an oasis in the city” となります。“of the city” と言ってしまった方は要注意。例えば、「恵比寿のレストラン」(“a restaurant in Ebisu”) と同じです。街の中にあるオアシス(的な場所)という意味なので、上記のような表現になります。ですが、この英訳はむしろ “a city oasis” または “an urban oasis” とした方が自然かもしれません。

「ドアの鍵」the key to the door” となります。前置詞 “to”が使われるその他の例としては、「車の鍵」(“the key to the car”)、「照明のスイッチ」(“the switch to the light”)、「パソコンの電源」(“the power to the laptop”)などがあります。英語では、「何かを操作・稼働するための何か」を表現する場合には一般的に “to”が使われるようです。

「成功の秘訣」“a/the secret to success” となります。前置詞 “to”の部分を成功への 秘訣というイメージでとらえるとわかりやすいかもしれません。また、意外に多くの人が間違えてしまうのが「質問の答え」という英語。こちらも “the answer to the question” となります。つまり質問への答えというイメージですね。

「離婚の理由」“the reason for divorce” となります。「理由」を意味する “reason” は何かを説明する際に “for” とセットで使われます。“for” の後には名詞の他に動名詞も続きます。例えば、「質問する理由」であれば the reason for asking”、「働く理由」であれば “the reason for working” と表現します。一方、「~しない理由」と言いたい場合には、動名詞の前に not をつけて、“the reason for not working”(「働かない理由」)と表現することができます。また、[reason for + 名詞/動名詞] の代わりに、[reason to + 動詞] のパターン使って “the reason to believe” (「信じる理由」)、“the reason to discuss” (「話し合う理由」) のように表現することもできます。

「計画の変更」の英語表現は、“a change of plans” でしょうか? それとも “a change in plans” でしょうか?実は、どちらもあり得ます。“a change of plans” は計画の内容全体がすっかり変わる場合、“a change in plans” はあくまで元々の計画の範囲内での(一部の)変更を意味します。それでは、「営業時間の変更」はどう表現されるでしょうか?これは通常、営業時間の一部が変わることを意味しますので、“a change in business hours” となります。一方で、「目的地の変更」なら “a change of the destination” となります。

「価格の差」“a difference in price” となります。では、「2,000円の差額」と言う場合はどうなるでしょうか?実は、こちらは “a difference of 2000 yen” となります。両者の使い分けについては、「何が違っているのか」を表現する際には “difference in” が、「どれだけ違っているのか」違いの程度を表現する際には “difference of ” が使われ、“of” の後には具体的な数量や長さなどを表す語句が続きます。

「生産の増加」“an increase in production” となります。では、「20%の生産増加」と言う場合はどうなるでしょうか?この場合には “an increase of 20% in production” となります。前項同様に「何が増えたのか」を表現する際には “increase in” が、「どれだけ増えたのか」を表現する際には “increase of” が使われ、“of” の後には具体的な数量や割合などが続きます。なお、両者ともそれぞれ “a production increase”、 “a 20% increase in production ” と言い換えることも可能です。なお、increaseの他に decrease(減少)や growth(成長)にも同様のルールが当てはまります。

いやあ、前置詞の使い方について学べば学ぶほど、英語は深いとつくづく感じます。ちなみに、今日はお昼に「トマトとパプリカのサンドイッチ」を作る予定ですが、あなたならこれをどう英語にしますか?(パプリカは英語でbell pepper)

正解は、ズバリ tomato and bell pepper sandwiches” です!では、今日も良い日でありますように。

See you!