バイリンガルはどう作られる?

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先週、古い友人たちと2泊3日で伊豆大島のリゾートヴィラに滞在してきました。久々に海と山と色鮮やかな緑に囲まれて、身も心もすっかりリフレッシュ!同じ東京都でありながら、南の島の夏休みを3日間満喫できて最高でした。長引くコロナ禍で旅行はずっとおあずけでしたが、たまに日常から抜け出すのはやっぱり楽しいものですね。

さて、今回は、真のバイリンガルたちは汗を2倍かいているというお話です。

バイリンガルという言葉を聞くと、誰もが海外での生活経験がある人たちを思い浮かべるのではないでしょうか?実際に、欧米の英語圏で育ったいわゆる帰国子女の人たちなどは、英語も日本語も自由自在に操りながら会話しています。そんな光景を見ると、英語のスキルアップに日々奮闘する日本人としては、海外在住経験を持つという人たちが心から羨ましくなるものです。

ある時、アメリカ育ちで日英のバイリンガルの方が発信されているブログを読んでいて、とても印象的な内容が目にとまりました。それは、自分がバイリンガルになれたのは『英語も日本語も頑張って学習してきたから』というコメントでした。私自身も、正直バイリンガルはほぼ環境によって作られるものという認識があったため、そのコメントがとても新鮮に響きました。

このブロガーは、父親の仕事の関係で生まれてまもなくアメリカに渡ったため、幼少期は日本語を全く必要としない世界で育ったということです。そんな自分が日本語をきちんと話せるようになったのは、家で日本語を1から教えてくれた母親の努力と、それに応えた自分の努力の結果だと語っています。遊びたい盛りの子供時代に、毎日、市販の読み書きドリルなどを使った日本語の勉強を一定時間こなさなければ遊ばせてもらえないという厳しい環境にあったそうです。さらに、アメリカにいる時は『家では日本語』、日本にいる時は『家では英語』というルールを徹底し、2つの言語をしっかり学んでいったということです。

多くの日本人は、アメリカで暮らしていれば当たり前のように英語が話せるようになると信じているものですが、この方によれば、それは全くの誤解であるということです。例えば、チャイナタウンでは中国語しか話せない中国人が、メキシコ人が多い地域ではスペイン語しか話せない人が沢山いるということ。また、結局、英語を習得できないまま母国へと帰っていく留学生たちを随分と目にしてきたということです。そもそもアメリカや海外で暮らして英語が話せるようになった人たちというのは、あくまでも努力を重ねて汗を流した人たちであり、努力なくして言語の習得はないと結論付けています。ご自身がバイリンガルであるからこそ、このコメントには説得力がありますし、何よりも今まさに英語のスキルアップに励んでいる日本人一人ひとりに勇気を与えてくれるコメントだと思います。ネイティブレベルのバイリンガルと呼ばれる人たちは、もしかすると、言語学習において少なくとも私たちの2倍は努力してきた人たちなのかもしれません。

もうひとつ興味深かったのは、この方が『バイリンガルにつながる習慣』として『調べる習慣』を挙げていたことです。日本人であるこの方のお母さんは、アメリカでは常に辞書を持ち歩きながら、買い物や、学校の面談、病院通いをすべて一人でこなし、わからない単語などはその場で調べていたそうです。そして、子供が宿題でわからないことがあれば、よく一緒に調べてくれたということです。最初はお母さんと一緒に『調べる』ことが習慣になり、やがて『調べる』ことが当たり前になり、苦でなくなったということです。

実は、私が英語学習においてひとつだけ人に誇れる点があるとすれば、この『調べる』という面倒くさい作業を根気よく続けてきたことと言えるかもしれません。知らない単語を調べることはもちろん、洋画や海外ドラマなどを観ていて「こんなふうに聞こえたけど、この表現は何?」というものがあれば、聞こえた音をたよりに辞書で検索したり、何かを読んでいて「この文型がいまいちわからない」となれば、すぐに該当する用法を調べたり、「これ英語で何て言うか忘れた!」というものがあれば、何度でも懲りずに調べて記憶に上書きしています。また、学生時代からの馴染み深い単語であっても、改めて発音を確認してみることも結構あります。

特に単語の意味を確認する場合には、必ず例文に目を通して基本的な用法を頭に入れておくようにしています。英語学習では、とにかく『気になったら調べる』という行為を習慣化することを強くお勧めします。そして、たぶんこれは、最強の習慣のひとつではないかと思うのです。これを習慣にすることで、総合的な英語力が知らず知らずのうちに向上することを私自身が実感しています。

ネイティブレベルのバイリンガルは、決して環境の産物ではなく、また誰もが簡単になれるものでもありません。それでも、準バイリンガルになるチャンスは誰にでもあります。楽して上達しようと思わないこと。読みっぱなしや聞きっぱなしではなく、学習にひと手間かけること。知らないことやわからないこと、疑問に思ったことはすぐに調べること。そして、それを続けていくこと。皆そんなふうに汗をかきながら英語マスターになっていくのです。

See you!