定番の会話パターン/フレーズを学ぶべき理由

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私の古くからの友人たちは、なぜか皆、趣味でダンスをやっています。1人はクラシック・バレエ、1人はタップダンス、もう1人はフラメンコを踊っています。ダンスは、楽しみながらとてもよい全身運動ができるので、中高年の女性にとっては最適なホビーかもしれません。そこで、日頃から運動不足の私は、以前から興味があったヒップホップダンスでも習ってみようかと、最近 YouTube のレッスン動画を見始めました。ところが、一見簡単そうな基本ステップがなかなかマスターできないため、すっかり落ち込んでいます。ステップ自体はしっかりイメージできているのに、どこかタイミングが合わないというか、足が思うように動きません。まだまだ年齢のせいとは言いたくないので、明日またチャレンジです!!

ピップホップダンスなどは、基本のステップをいくつか覚えれば、それらを自由に組み合わせて自分なりに楽しく踊ることができます。そんな中、ふと気づいたのですが、今、私が挑戦しようとしているヒップホップダンスへのアプローチは、英会話習得へのアプローチにとてもよく似ています。つまり、英会話というものも、いくつかの基本ステップならぬ基本パターンや定番のフレーズの組み合わせから成り立っているということです。

英会話を勉強中の方は、「英語がすぐに口から出ない」「スムーズに会話ができない」というお悩みを抱えることも多いと思います。こうしたお悩みの原因は何かと言うと、英語を話そうとする際に、自分が知っている語彙や英文法の知識を総動員して、言いたいことをその場で英作文しているからに他なりません。一方で、英会話が得意な人たちは、そのような方法とは全く別の方法で英語をスラスラと話しているのです。

英語がペラペラと言われる人たちは、まず何よりも、英会話における基本的な受け答えのパターンや、会話でよく使われる定番の言い回し/フレーズというものを熟知しています。そして、それらを会話の状況に応じてうまくアレンジし、適切に組み合わせながらアウトプットにつなげています。

そもそも、私たちは、一体どのように日本語を話すことを学んできたでしょうか?これは、誰でも小さな子供の頃を思い出してみればわかることです。身近な大人たちの会話のやりとりや、彼らが口にする言葉と表現、また、テレビを見ていて耳に残ったフレーズなどをどこかで真似して口に出しているうちに、いつしか必要な場で必要な会話を自然に組み立てられるようになっていったのではないでしょうか。

私たちの会話というものは、実際そのほとんどが決まりきったやりとりの繰り返しになっています。特に第三者との会話においては、いわゆる社交辞令と呼ばれる社交上の一般的な応対表現があります。例えば、こういう場面ではこう挨拶する、この手の質問にはこう対応する、お祝いの言葉はこのように伝える、誘いを断る時にはこのような表現を使う等々、日本語でも定番(かつ万能)のやりとりや受け答えのパターンというものが存在します。

そこで、英会話を学ぶのであれば、まずは英語における定番表現を身に付けることが王道の学習方法であり、また極めて効率的な学習方法なのではないでしょうか。英会話初心者が優先的に取り組むべきことは、語彙を増やしたり文法知識を深めたりすることではなく、まずは、さまざまなシチュエーションにおける会話のパターンやお決まりのフレーズを学び、それを使いこなせるようにすることです。そうすることで、つねに頭の中であれこれと英作文するストレスから解放され、いつ、誰とでもほぼスムーズに会話のキャッチボールができるようになります。

英会話における定番のやりとりには、例えば以下のようなものがあります。

I passed the job interview. (就職の面接に合格したんです)
Good for you! I’m proud of you. (よかったですね!私も嬉しいです)

Do you want me to drive you home? (お宅まで車でお送りしましょうか?)
That would be great. (それは助かります)

I’ve got a bad cold, so may I cancel the lesson tomorrow? (ひどい風邪をひいてしまったため、明日のレッスンはキャンセルしてもよろしいでしょうか?)
That’s too bad. Take good care of yourself. (それは大変ですね。どうぞお大事にしてください)

This is a little something for you. (つまらないものですがどうぞ)
You don’t have to. (どうぞお気遣いなく)

I missed my favorite TV show last night. (昨夜、大好きなテレビ番組を見逃してしまいました)
What a shame! (それは残念!)

Why don’t you join our party tonight? (今夜、私たちのパーティーに参加しませんか?)
I’d love to, but I have another appointment. (ぜひそうしたいのですが、あいにく別の予定がありまして)

上記は、ごくシンプルな受け答えのフレーズを紹介したものですが、英語のスピーカーたちは何よりも会話の「間」というものを嫌うため、たとえシンプルなフレーズであっても、間髪を入れずに言葉を返すことに大きな意味があります。このようなシチュエーション別の会話パターンがひととおりインプットされていれば、相手の一言に適切なフレーズでタイミングよく反応することができます。日常的なコミュニケーションにおいては、気の利いたコメントなどは必要ありません。その場に合わせた定番のフレーズをそのまま用いるだけでほとんど事足りるはずなのです。

なお、会話を続ける上では、当然ながら自分から相手に質問することも必要になります。そのため、会話のパターンを学ぶ際には、ネイティブスピーカーたちがよく使う質問表現も併せて「質問 / 受け答え」をセットで学習・練習するようにすると効果的です。実際の会話においては、もちろん相手や自分の状況に合わせたアレンジもお忘れなく。

というわけで、英会話のスキルがなかなか初級レベルから抜け出せないと感じている方は、ご自分の学習の方向性が正しいものかどうか、ぜひ一度、見直してみていただきたいと思います。

See you!