泣きそうです!

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皆さんは、普段どのくらいの頻度で涙を流していますか?私は、たぶん週に2~3回は泣いているような気がします。どんな時に泣いているかと言えば、ほぼほぼ映画やドラマを見ている時になります。いや、スポーツを見ていても、時々、感動して泣いていますね。よく年を取って涙腺がゆるんできたなどと言う人がいますが、人間には共感脳というものがあり、人に共感できる事柄が増えるにつれて、それだけ涙もろくなるようです。

では、ここで質問です。あなたは「私、泣きそうです!」と咄嗟に英語で表現できるでしょうか?

私たち日本人は、自分の言動を英語で表現しようとする際に、必要以上に複雑に考えてしまう癖があるようです。そのため、ごく基本的なフレーズさえうまく使いこなせていないケースが多々あります。今回のブログでは、日本人が意外と使いこなせないあのお馴染みのフレーズを取り上げたいと思います。そのフレーズとは、ズバリ、未来を表現する時に使う be going to です。

英語では、未来のことを述べる場合に willbe going to を使いますが、will は単純未来や意志未来を表す時に、そして、be going to はもっぱら「予定」していることを表す時に使うものだと記憶している方が多いのではないでしょうか。これは、will の用法と区別するために、学校教育ではことさら「be going to = 予定」という概念が強調されているせいかと思われます。

be going to について実際に調べてみると、Cambridge Dictionaryでは、1) Intentions: 「意図」、2) Predictions: 「予想」、3) Commands: 「命令」という3つの用法が紹介されています。しかし、私たち日本人がこの表現を使う場合、そのほとんどが「意図(~するつもり/~する予定)」の用法に限られていると言っても過言ではありません。

We’re going to have a party!
「これからパーティーをするよ!」
I’m going to travel in Europe this summer.
「この夏ヨーロッパを旅行する予定です」
What are you going to do?
「あなたは何をするつもりなの?」

上記のような使い慣れた表現パターンに加えて、ぜひ覚えておいていただきたいのが「予想(~しそう/~になりそう)」を意味する用法です。

It’s going to be hot tomorrow.
「明日は暑くなりそうだ」
Look, your cat is on the table! He’s going to eat the cake!
「見て、ネコがテーブルの上に!ケーキが食べられちゃう!」
It’s going to be more difficult to get a house in Tokyo because of the recent rise in land prices.
「このところの地価上昇で、東京に家を持つのはますます難しくなりそうだ」

be going to を使った「予想」の表現は、それが起こりそうな何らかの兆候や根拠があり、それらに基づく判断で未来のできごとを予想する場合です。つまり、上記の例では、直近の天気予報などをチェックした結果、明日が暑い日になりそうだと予想したり、ネコがテーブルの上でケーキのお皿に近づきつつある様子を見て、ケーキが食べられてしまうことを予想したり、地価が上昇しているため家を持つことがさらに難しくなることを予想しているということです。

では、未来を表現する時の be going towill の使い分けはどうなるでしょうか?will は、基本的に確実性のある事柄や事実について語る場合に使われる助動詞です。一方で、be going to は、すでに決定・決断していることを強調したい場合や、現状あらわれている兆候や形跡などに基づいて未来を予想したり、語ったりする場合に使われます。この違いを理解しておくと、使い分けも比較的スムーズかと思います。

Using a taxi will be the fastest way to get there. But I’m going to take subway because it’s much cheaper.
「そこに行くには、タクシーを使うのが一番早い方法です。でも、地下鉄の方がずっと安いので、私は地下鉄で行くことにします」 (*タクシーを使う方が早いのは事実。でも、地下鉄で行くと決めた)

また、be going to が「予定」や「計画」を述べる時に使われるのに対し、will は、「予定」「計画」ではなく、相手の発言を受けて「その場で決めたこと」を述べる時に使われます。

A: Are you available this afternoon?
「今日の午後お時間はありますか?」
B: Actually, I’m going to have a meeting with my manager.
「実は、上司とミーティングをする予定になっています」(*予め決まっていた予定)
A: OK, I’ll call you tomorrow morning.
「了解です。では、明日の朝お電話しますね」(*その場で決めたアクション)

be going to には、もうひとつ「命令」の用法というものがあります。これについては、初めて知ったという方も多いのではないでしょうか。

You’re going tomove your car quickly from the no-parking zone.
「車を駐車禁止区域から速やかに移動させてください」
You’re not going to play in the vineyard.
「ブドウ園の中で遊んではいけません」

be going to が「命令」の意味で使われるケースとしては、上記のように、既定の事項や守るべき義務などについて述べる場合が多いようです。また、形式的に、通常の命令文よりもやや丁寧な言い回しになっていると言えます。このような用法はあまり目にしたことがないと感じるかもしれませんが、確かに海外ドラマや洋画の中では、時々このような表現に出会うことがあります。ぜひ今後チェックしてみてください。

さて、ここまで be going to の用法についてお話ししてきましたが、冒頭部分の質問の答えはすでにおわかりですね。

「泣きそうだ / 泣けてくる」 ⇒ I’m going to cry.
「眠りそう(寝落ちしそう)だ」 ⇒ I’m going to sleep. / I’m going to fall asleep.
「吐きそうだ」 ⇒ I’m going to vomit. / I’m going to throw up.
「気が狂いそうだ」 ⇒ I’m going to be crazy.  

まだ実際に泣いてはいないけれど「泣きそう」だったり、眠ってはいないけれど「眠りそう」だったりという微妙な状態も、こんなにシンプルな中学英語のフレーズで表現することができるのです。まさに、中学英語を制する者は英会話を制する者と言えそうです。

中学英語、恐るべし!

See you!