いつの間にか成果が出るシンプル&最強の英語学習法

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10月に入り、ようやく長かった今年の夏が終わりを告げそうです。ほんの数日前まで熱中症への注意が呼びかけられ、甘味処ではかき氷が人気メニューになっていたくらいですから、この先どうなることかと思いました。日本の文化は何と言っても四季と共にあるもの。こうして年々季節感が薄れていくことに憂いを感じずにはいられません。

さて、今回のテーマは、英語を学んでいる人がほとんど実践していないシンプルな学習方法、でも、実践しないともったいない学習方法についてお話ししたいと思います。それを実践することで、読む、聞く、話す、書くといった英語の4技能すべてのスキルアップに効果があり、さらに、TOEIC®のスコアアップにもつながる魔法の学習方法があります。それは何だかご存知ですか?はい、正解は、英文の『音読』です。

英会話を習得するために、まずはリスニングのトレーニングに取り組む方が多いですね。そんな方々の一般的なトレーニング内容は、概ね以下のようなイメージです。

英語の音声を(何回か)聞いてみるスクリプトを見て答え合わせを行う特に聞き取れなかった箇所を確認するその結果「こんなに簡単な英語が聞き取れなかった!」とショックを受ける。または「こんな単語やフレーズ(あるいは文法)は知らなかった」とノートにメモする英語の音声を聞き直す(せいぜい2~3回)前回聞き取れなかった箇所も「なるほど、今は確かにそのように聞こえる」と納得して終わる。

私自身も、昔は上記とさほど変わらない方法でリスニングに向き合っていました。リスニングのトレーニングとしては、上記以外にやるべきことはないと思い込んでいたんですね。その結果、大学を卒業して生の英語が行き交う職場に身を置いた瞬間、私は、ネイティブたちの英語がほとんど聞き取れないことに愕然としました。リスニング力を身につけるためには、何よりも英語を口に出す練習が必要だということを私が知ったのは、それから随分と時間が経ってからのことでした。

リスニングのトレーニングを行っていてもなかなか成果が得られないのは、多くの場合、繰り返しの回数が足りないことと、聞き取れるようになるための重要なプロセス、つまり 『耳で聞いた音を自分で再現する』プロセスを欠いていることが原因と言えます。過去のブログでも、リスニングの学習に関して声を出すことの重要性を折に触れお伝えしてきました。効果的なトレーニング手法として、通訳の方も取り入れているシャドーイングやリピーティング(リプロダクションという言い方もあります)もお勧めしてきましたが、これらの手法には実際ハードルの高さを感じる方も少なくないと思います。シャドーイングは、英語音声のスピードが速いとついていくのが難しいですし、リピーティングの場合は、聞き取った英語をまるごと頭の中で保持しなければいけないためより難易度が高くなります。

そこで、どなたにも無理なく実践していただけるのが英文スクリプトの音読です。音読は、自分のペースでスクリプトを読み進めることができるため、ゆっくり読むことから始めて、慣れてきた段階でスピードを上げ、英語のリズムをより意識してアウトプットを行うなど段階的に練習を行うことが可能です。音読学習は、シンプルでありながらも大きな効果をもたらす学習方法で、リスニングのスキルアップにとどまらず、あなたの総合的な英語力を引き上げてくれます。音読学習がもたらす具体的な効果を以下にまとめてみました。

■ 英語を自ら声に出すことで、英語の音を認識するスキルが養われる。
  ⇒ リスニングのスキルアップ

■ 英語の構文パターンや文脈ごとの単語・フレーズの使い方が身についてくる。
  ⇒ リーディングのスキルアップ
  ⇒ スピーキングのスキルアップ
  ⇒ ライティングのスキルアップ

■ 文章単位で英語を読むことで、長い英語を聞き取ることに慣れてくる。
  ⇒ リスニングのスキルアップ

■ 英文を英文の語順どおりにアタマから理解することに慣れてくる。
  ⇒ リスニングのスキルアップ
  ⇒ リーディングのスキルアップ  

■ 上記英語の4技能のスキルアップがTOEIC®のスコアアップにもつながる。

上記のように嬉しい効果がたくさん見込まれる音読学習ですが、実践する上での注意事項がいくつかあります。

1.正しい発音で読む
ひとつ重要なことは、音読は正しい発音で英語を読むことが前提です。間違った発音や自己流の発音が身についてしまうと、相手に通じないだけでなくリスニングにも支障を及ぼします。特に、英語特有のつながる音や消える音なども意識して音読することが大切です。発音にあまり自信がないという方は、ぜひ一度英語学習のプロに指導を受けることをお勧めします。

2.音の強弱、アクセント、イントネーションを意識する
英文では強く長めに発音される語句と、弱く短めに発音される語句があります。音読の際には、どの語句が強く発音され、どの語句が弱く発音されるのかを確認して、英語の音声どおりに再現するよう努めてください。同様に、各単語のアクセントの位置やイントネーションについて意識することも大切です。英語では、イントネーション(上がり口調 / 下がり口調)によって意味合いが変わります。こうした要素を常に意識することもリスニングの攻略には欠かせません。

3.繰り返しが音読の鍵
音読学習は、繰り返し行うことで効果が得られる学習方法です。では、同じスクリプトを何回読めば効果が得られるでしょうか?ある英会話講師の先生は、各文を最低80回は音読することが成功の秘訣だと言っています。あるネイティブの英語コーチは、リピーティング練習は100回以上繰り返すことを推奨しています。私個人の見解としては、リスニングと音読をセットで繰り返し行い、文字を読まなくてもスクリプトの構文やフレーズが自然と口に出せる状態になるまで続けることがベストと考えます。これには当然個人差があります。30回でそこに到達する人もいれば、100回以上繰り返してようやくそこに到達する人もいると思います。要は、音読した内容がしっかりと自分のものになるまでとにかく繰り返すということです。

以上、音読の効果と注意点についてお伝えしてきました。ちなみに、パラアスリートとして初めて国民栄誉賞を受賞された車いすテニスの国枝慎吾さんは、現役時代、ショットを安定させるために1,000回の素振りを日課とし、1つのショットをマスターするために30,000球の打ち込み練習を行っていたそうです。大きな結果を残す人は、さすがに実行力のスケールが違いますね!

See you!