see を使いこなす

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ここ数カ月、右奥歯の嚙み合わせに違和感を覚えていました。歯医者に行ったところ、親知らずを抜いたほうがいいと言われショックを受けました。たとえ余分な歯でも、私にとっては長年お世話になった大切な歯を失くしてしまうのがなんだか淋しいような。そして、いくつになっても抜歯は怖い!とは言え、逃げていても仕方ないので、先週末に抜歯を決行しました! 前日からとても緊張していたのですが、終わってみればほとんど痛みもなく、その日の夜もぐっすりと眠れました。今はもう「怖いものなし!!」の心境です(笑)。

さて、皆さんは、seeという動詞の用法をどのくらいご存じでしょうか?seeには本当にたくさんの意味や表現があり、会話の中でも頻繁に使われる動詞です。seeを使った表現はとてもこなれていてネイティブっぽいので、英会話の中でさり気なく使いこなせるとカッコ良いと思います。ぜひ意識して使ってみてください。

seeを語る時によくあるテーマとして、lookとの使い分けがあります。どちらも「見る」でありながら、seeは「目に入ってくる、さらっと見る」感じ、lookは「意識してしっかり見る」感じです。このあたりの基本的な違いについては理解されている方も多いと思いますが、実際のところ、seeとlookの使い分けはそう単純ではありません。

空港などでよく言われる「パスポートを拝見します」は、通常 May I see your passport? と表現されます。これが May I look at your passport? となると 「(パスポートを調べさせて)」というニュアンスになるだろうと思います。この場合、もしかすると、あなたは指名手配犯と疑われている可能性があります(笑)。

では、誰かに「iPhoneを見せて」: Can I see your iPhone? と言われたら、あなたはどんな行動を取りますか?相手にiPhoneを近づけて見せますか?それとも、相手にiPhoneを手渡して見せますか?同様に、Can I look at your iPhone?と言われた場合はどうでしょうか?このケースでは、ほとんどのネイティブスピーカーが以下の行動を取るそうです。

Can I see your iPhone? ⇒ 相手に手渡して見せる
Can I look at your iPhone? ⇒ 相手に近づけて見せる(だけ)。

一般的には、seeよりもlookの方が詳しく見るイメージがあるため、上記とは逆の行動パターンが正しいだろうと予想した方も多いのではないでしょうか?ここにseeとlookの使い分けの複雑さがあります。他の例として、お店で「メニューをご覧ください」は Please look at the menu. になりますが、お店の「チラシを見ました」と言う場合には I saw the flyer. になるということで、seeとlookは思いのほか奥が深いです。興味のある方は、いろいろ調べてみてください。

今回は、あくまでseeが主役ですので、ここから先は、会話でよく使われるseeの表現パターンや特別な意味で使われるseeについて取り上げていきたいと思います。

see:「事の成り行きを見る」
seeと疑問詞の組み合わせで使われることが多い用法です。よくプロのアスリートが次の試合に向けたコメントの中で「まあ、どうなるか見てみましょう」と言う時に口にするのが、Let’s see (what happens).ですね。

Let’s see what happens. 「様子を見よう」
▸ Let’s see what is going on. 「どうなるか見てみよう」
Let’s see where he is going. 「彼がどこに行くか見て/聞いてみよう」

see:「理解する」
I see. という短い表現は誰もが使いますね。これからは、一歩前進して以下のような表現も使ってみてください。

Do you see my point? 「私の話/意味するところがわかりますか?」
I don’t see why we need to do this work.
「なぜこの仕事をする必要があるのかわからない」

see:「確認する・調べる」(*ビジネスでもよく使われる)
ネイティブスピーカーが頻繁に使う表現でありながら、日本人がほとんど使いこなせていない表現だと思います。

I went to see who was at the reception. 「受付に誰が来たのか見に行った」
I’ll see who is using the meeting room. 「誰が会議室を使っているか確認します」
Will you see if he can come here tomorrow morning?
「彼が明日の朝ここに来られるかどうか聞いてもらえますか?」
We must see if she is still there. 「彼女がまだそこにいるか確認しないと」   

see:「見込む・予想する」(*ビジネスでもよく使われる)
日本人が expect や anticipate という動詞を使いがちな場面で、ネイティブたちは、さらっとseeを使います。ビジネスの場で使われるseeには本当にこなれ感がありますね。

We see further growth in sales. 「私たちはさらなる売上の成長を見込んでいます」
Our customer sees a huge business opportunity for the campaign.
「顧客はそのキャンペーンが大きなビジネスチャンスになると予想しています」

see:「(ある時代・場所で)起こる・発生する」
文書・ドキュメントでよく見る表現です。この用法を知らないと、ちょっと戸惑いを覚えるかもしれません。

The past three years saw the global COVID pandemic.
「過去3年間にコロナウイルス感染症の世界的な大流行が起こった」
The 20th century saw a lot of environmental problems including global warming.
「20世紀には地球温暖化をはじめとする数多くの環境問題が発生した」

see:「想像する」
疑問文や否定文で使われることが多いseeの用法です。文法のパターンとして 「目的語+doing」「目的語+過去分詞」「目的語+as+名詞」があります。

Can you see her abusing her child? 「彼女が子供を虐待するなんて想像できますか?」
I can’t see him lost his game. 「彼が試合に負けるとは思えない」
I can’t see her as a single mother. 「彼女がシングルマザーだなんて」

see:「配慮する・取り計らう」
意外と知られていない用法かと思います。文法パターンは「see to+名詞」もしくは 「see (to it) that」です。

I will see to the issue. 「その問題には私が対処します」
See (to it) that every student will participate in the sports event.
「すべての生徒がスポーツイベントに参加するようにしてください」

see:「専門家のサービスを受ける」

I will see a doctor. 「医者に診てもらいます」
I’m seeing a counselor. 「カウンセリングを受けています」
You should see a lawyer. 「弁護士に相談した方がいいですよ」

see in ~:「~に魅力を見出す」
通常否定・疑問文で使われ、ネガティブなニュアンスを含みます。

What do you see in her? 「彼女のどこがいいわけ?」
I don’t understand what you see in your boyfriend.
「あなたがあなたの彼のどこに惹かれているのか私にはわからない」

be seeing~ :「~と付き合っている(デートしている)」
恋愛で付き合っているという意味では、seeing someone の他に dating someone や going out
with someone があり、少しずつニュアンスが異なります。seeing someone が最も汎用的で、ごく浅いお付き合いから深いお付き合いの場合まで幅広く表現できます。

Are you seeing anyone / someone? 「付き合っている人はいますか?」
How long has Yoko been seeing John?
「ヨーコはジョンと付き合ってどのくらいになるの?」

いかがでしたか?ここでseeのすべての用法は語りきれませんが、このシンプルな動詞だけで実にさまざまな内容を言い表せることがおわかりかと思います。あなたも明日からseeを使いこなし、複雑な表現を使わずに会話の幅をどんどん広げてみませんか。

See you!