多読の恩恵

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過去のブログで「英語力は総合力である」とお話ししました。英語のコミュニケーションを可能にするものは、語彙力であり、文法力です。また、正しい発音を学ばなければ、英語を聞き取ることはできません。そして、英語を話すためには、これらインプットされた知識やスキルを必要に応じて瞬時に使いこなすアウトプット能力が必要になります。

そこで、英会話の習得を目指す方々は、英文法を復習したり、単語やフレーズをできるだけ覚えてみたり、ネイティブの発音を練習したり、海外ドラマや洋画でひたすら英語を聞いてみたり、自分に必要な英語表現を口に出す練習をしたり、といった努力に日々時間を費やすわけです。

英語に限らず、何かを学習する段階では、誰でもどこかで壁に直面するものです。今回は特に「文法力も語彙力もあるのに英語を読むのが遅い」という方、「文法力も語彙力もあり、かつネイティブ発音にも慣れているのに、英語がうまく聞き取れない」という方、また、「英語を話そうとすると、とたんに文法がわからなくなってしまう」という方のお悩みにフォーカスしてお話ししたいと思います。

リーディングでありがちなのは、英語の文法ルールや構文はひととおり理解していても、長い英文を読んでいると頭が混乱してきて、冒頭から読み直してしまうというケース。また、リスニングに関しては、最初は聞き取れていても、途中からわからなくなってしまう、または、途中からスピードについていけなくなる、というケースがよくあるようです。さらに、スピーキングについては、言いたいことはイメージできているのに、どこから話していいかわからなくなる、最初の1センテンスがなかなか出てこない、といったお悩みが多いようです。

実は、こうしたお悩みは、すべて「直読直解」ができないことに起因しています。「直読直解」とは、英文を英語の語順のまま読みながら、瞬時に意味を理解していくスキルでありプロセスです。「直読直解」では、日本語に訳しながら意味を取ることも、後戻りして文型を確認することもありません。わからないところは、文脈から意味を推測しつつそのまま読み進めます。つまり、「直読直解ができる 」= 「速読ができる」、ということになります。

昔から英語の成績が良かったという人は、英語を「精読」することに長けています。「精読」は、学校の授業でやるように、文の構造や文型(SVOなど)を確認しながら英文を読み取る方法で、これがきちんとできれば、一般的な学校のテストでは良い成績が取れたはずです。ところが、「精読」指向で英語に向き合っていると、英会話やリスニングといったスピード感が求められる場面では即座に対応することができません。生の英語のコミュニケーションを習得するためには、「精読」指向から卒業して「直読直解」のスキルを身に付ける必要があります。

では、どうすれば「直読直解」のスキルを養うことができるでしょうか?その方法として推奨されるのが「多読」です。多読とは、文字通り洋書や英語の雑誌をたくさん読むことを意味しますが、その具体的な取り組み方法について以下で説明します。

まず、多読では、原則辞書は使いません。知らない単語が出てきても、文脈から意味を推測しながらどんどん読み進めます。読んでもわからない部分は、飛ばし読みしてもOKです。多読する目的は、とにかくたくさんの英語に触れることにありますので、完璧主義に陥らないことが大切です。とは言え、何度も出てきてどうしても気になる単語や、ストーリーを把握する上で不可欠だと感じた単語があれば調べても構いません。

では、どんな本や雑誌を選べばよいか?辞書を使わずにたくさん読むわけですから、何よりも自分にとって適切なレベル・内容の本を選ぶことがとても重要です。まずは、自分が楽しんで続けられる内容のものであることが最優先です。文学はもとより、興味のある分野や、自分の仕事に関係した分野の書籍でもよいと思います。そして、辞書を使わなくても 8 割以上の内容が理解できる、自分がストレスなく読めるレベルのものを選びます。例えば、日本語訳が出ている本は、日本語版を先に読んでから英語版を読んだり、逆に英訳されている日本文学を選んだり、過去に観た洋画や海外ドラマの原作本などを選んだりするのも、読書に入りやすくてよいかもしれません。

また、読み始めた本の内容がつまらなくて読むのが苦痛と感じたら、その本は諦めて別の本に移るようにしてください。多読は、習慣として続けていくことが大切なため、楽しみながら続けられる素材でなければ意味がありません。そして、ルーティーン化しやすいように 「1日最低〇〇ページ読む」「毎日30分は読む」など、自分なりのルールを設定することもお勧めします。

多読における英語の読み方は、あくまで前述の「直読直解」が基本です。英語の語順のまま、日本語には訳さず、返り読みもなしで、素早く内容を理解しながら読み進めていくのがルールです。多読では、こうした「直読直解」が可能になるように、自分にとって易しめの英語を読むことが重要なポイントになります。

実のところ、「直読直解」のプロセスというものは、リスニングを行う状態に極めて近いものがあります。実際のリスニングと違うところは、音声ではなく文字を介して意味を取るところ、そして、自分のペース/スピードで意味を追えるところにあります。ということは、つまり、「直読直解」ができない限り、どんな英語もその場で聞き取ることはできないということになります。

多読の習慣を通じて「直読直解」をマスターすると、脳が英語を処理するスピードが格段と速まるため、速いスピードで話される英語にもついていけるリスニング力や、会話の場面で必要なフレーズを適切にアウトプットできるレスポンス力が得られます。また、多読の効果としてもたらされる語彙の広がりや、文の続きを予測するスキルなども、リスニングやスピーキングのさらなるレベルアップに貢献してくれるはずです。

いかがでしたか?今まで「難しめの英語を少量読む」というスタンスで学習してきた方は、明日から「平易な英語をたくさん読む」というスタンスに切り替え、ぜひ多読を実践してみてください。その効果は絶大です!

See you!