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言いたいこと、思ったことを、その場でなかなか英語にできないのは本当にもどかしいものです。「これ、どう言えばいいかな?」と考えているうちに、会話はどんどん先へ進んでしまいます。こんな時に大切なことは、発想の柔軟性や融通性です。
ひとつの日本語にこだわりすぎていると、自分の思いを伝えるタイミングを逃したり、時には間違った英語を使ってしまったりすることにもなりかねません。また、日本語を直訳しようとせず、その意味するところを広い視野で考え、適切な英語表現に当てはめていくセンスやスキルも重要です。英語力は、実際のところ、日本語の能力にも大いに関わっているのです。
最近、若い世代を中心によく使われている「大丈夫です」という表現があります。ちょっと断りにくいと思える事柄についても、辞退の意向をやんわりと伝えることができるので、その意味で便利な日本語表現だと思います。でも、この表現を英会話の場面で直訳的に使おうとすると、思わぬ落とし穴があります。
飲み物のおかわりなどを断る場合、「大丈夫です」と言う感覚で OK! と言ってしまうと、「お願いします(Yes.)」という意味になってしまうので注意が必要です。これは、スーパーなどでレジ袋を断る場合も同様です。「結構です」と断りたい時には、I’m good, thank you. や I’m fine, thanks. または Don’t worry (about ~). などと表現するのが一般的です。
さらに、ビジネスの場面では、また違った表現が用いられます。アポの日程について上司や顧客から「来週の月曜日はどうですか?」と聞かれ、「大丈夫です / 問題ありません」と答える場合には、That works. や That’s fine with me. I’m fine with that. Sounds good. または Monday works for me. などと表現します。
日本語では同じ言葉で言い表すことができても、英語では、文脈や伝えたい内容によってさまざまな表現を使い分けることがポイントです。例えば、「しかし」を意味する表現は but でも、still を使う方が適切な場合もあります。
It’s getting warmer, but I need a sweater. (暖かくなってきたが、セーターが必要だ)
It’s getting warmer. Still, I need a sweater. (暖かくなってきた。でもまだセーターが必要だ)
そこで、ここからは、日本語の発想に柔軟性・融通性を持たせるためのヒントを、さらに例文を使って紹介していきたいと思います。
まずは、私たちがよく口にする「もちろん」を使った例文を紹介します。英語では、文脈によって「もちろん」の適切な表現が変わってきます。
・ 彼はもちろん(of course)手伝ってくれるでしょう。
Of course, he’ll help us.
・ もちろん(obviously = 明らかに)、彼らはさらに練習する必要がある。
Obviously, they need to practice more.
・ 彼女は英語はもちろん(as well as = ~もまた)日本語も話せる。
She speaks Japanese as well as English.
・ 私ももちろん(also = ~もまた)彼のプロジェクトをサポートします。
I will also support his project.
・ 彼はもちろん(undoubtedly = 疑いなく)そのポジションに最適な人材だ。
He is undoubtedly the best person for the position.
・ もちろん(definitely = 確かに、間違いなく)、私はあなたのお母さんを覚えています。
I definitely remember your mother.
・ もちろん(needless to say = 言うまでもなく)、人々の安全が最優先事項だ。
Needless to say, people’s safety is the top priority.
・ 彼女はもちろん(naturally = 当然のこととして)そのオファーを受け入れた。
She naturally accepted the offer.
・ もちろん(as a matter of course = 当然のこととして)、すべての社員に発言の権利がある。
Every employee has a right to speak up as a matter of course.
もうひとつ、こちらも日本人の口癖のひとつとなっている「確かに」を使った例文を紹介します。「確かに」は、時と場合によって「もちろん」以上に意味が変わる表現です。
・ このテーマは確かに(certainly = 確かに、間違いなく)検討する価値がある。
This subject is certainly worth considering.
*事実・判断が確かである
・ これらは確かに(clearly = 明らかに)容疑者の足跡だ。
These are clearly the suspect’s footprints.
*結論が明白である
・ 彼女は確かに(indeed = 実に、本当に)才能あるアスリートだ。
She is indeed a talented athlete.
*事実を確認・強調する
・ 彼は確かに(definitely = 絶対に、間違いなく)嘘をついている。
He is definitely telling a lie.
*強い確信がある
・ この店の料理は確かに(really = 本当に)おいしい。
The food here really tastes good.
*本当にそうであると強調する
・ 彼は確かに(in fact = 実際に、事実)その会社で働いていた。
In fact, he used to work for that company.
*事実を補足・修正する
・ 確かに(granted = 確かに~だが)とても高価だが、品質が非常に優れている。
Granted, it’s very expensive, but the quality is excellent.
*相手の主張を認めたうえで反論する
・ 確かに(undoubtedly = 疑いなく)これは彼自身の功績だ。
This is undoubtedly his own achievement.
*疑いの余地がない
・ その時、確かに(for sure = 確実に、間違いなく)部屋には誰もいなかった。
Nobody was in the room at that time for sure.
*確実性・予測を強調する
いざという時に「英語がどうしても出てこない」という方は、日本語の発想にもっと柔軟性や融通性が必要なのかもしれません。外国人が日本語に詰まった場合、大抵の日本人は、相手が何を言いたいのか大枠で理解できるものです。あなたも英語に詰まったら、構わず日本語で表現してみましょう。外国人も、案外あなたの言いたいことを察知して、適切な表現をおしえてくれるかもしれません。そうやって覚えた生の英語表現は、絶対に忘れないものです。
See you!